メディアで取り上げられるワーキングマザーを見かけると、「現実はこんなきれいなものじゃない!」と、冷めた目で見てしまいます。
同じような気持ちになる女性はきっと私だけではないと思っているのですが、みなさんはいかがですか?
ここではワーキングマザー歴10年の私が、どこにでもいるワーキングマザーの現実と、働き続けることへの本音を書いています。

逞しく見える私たちですが、常に迷い綱渡りのような気持ちで毎日を過ごしています。
楽しいだけじゃないワーキングマザーという選択。
働き方を考える方はぜひ参考にしてください。

ワーキングマザーの現実



これまでの長いワーキングママ生活のなかで、社会の第一線でバリバリ働きながら家事も育児も完璧にこなしている女性には、いまだかつて遭遇したことがありません。
むしろそんなワーキングママなんて存在しないのではないでしょうか。

もちろん大企業で活躍しているママや誌面から飛び出してきたようなキレイなママ、SNSでもよく見かけるリア充なママなど、いろいろなママは周りにたくさんいます。
でも同じ働く母親という立場から見ると、私を含めどのママも”完璧”とは言えないのです。

1日が24時間というのはみんな同じなのに、私たちは母親・妻・社会人として3役、人によっては4役5役とこなさなければなりません。
そのため、1人ですべてをこなすには何かを優先していかなければならないのは当然ですよね。

出産前と同じように働くことを希望すれば、育児にしわ寄せがいく。
育児を優先すれば仕事をセーブしなくてはいけなくなる。
美しさを保つには、限られた時間を削って涙ぐましい努力が必要となる。
プライベートを充実すると家事がおろそかになる。

傍から見れば充実して輝いているように見えるかもしれませんが、ひとたび帰宅すると家中をバタバタと忙しく動き回り、戦力外のイクメン風旦那をよそに1人で家事に育児にと奔走しています。仕事も育児も楽しくやっています!とはちょっと違う。現実は孤独な戦いなのです。


ワーキングマザーの悩み



多くのワーキングマザーの悩みのベースは、何を優先し何を犠牲にするかの“取捨選択”にあると思っています。
どんなにご両親や旦那さんからの強力なサポートがあったとしても、やはりすべての問題はクリアにならず、子供や会社に多少なりとも負担がかかっていることは私たちワーキングマザーが一番わかっています。
冒頭で書いた、仕事も育児も完璧なママはいないと思うのはこの部分のこと。輝いて見えるワーキングマザーにも、犠牲にしていることが絶対にあるのです。
働きながら母を続けるということは、今の世の中の流れにマッチした生き方ですし、実際に約半数のご家庭が共働きをしていると言われていますが、ワーキングマザーの満足度に対するある調査では、現在の生活に満足していると答えた女性が全体の6割以上いるという結果があるそうです。

でも、私としてはこの結果に「ん?」と思ってしまうのです。
育児にも仕事にも本気で向き合えば向き合うほど、中途半端な自分に苛立ちを感じてしまう。もっとできる、こんなはずじゃないとイライラしているのです。

「今の生活に満足しています!」と手放しで言えるママは、実際にどれほどいるものなのか疑問の残るところではあります。
本当に満足していると答えられる方は、気持の切り替えが上手いのかもしれませんね。


それでも働く理由

http://www.photo-ac.com/

ワーキングマザーのネガティブな側面ばかりを書いてしまいましたが、私は実際にワーキングマザーです。

女性がワーキングマザーとして働く理由で最も多いのがやはり経済的な理由から。
生活レベルを落としたくない、自由に使えるお金が欲しいといった余裕のある暮らしを維持するために働くというのは大前提だと思います。

また、自分にも収入があることで旦那さんと対等な関係を保てるとか、仕事をして育児以外に向き合う時間を持つことで気分転換となるという話もよく耳にするのですが、単にお金のために働くのではなく、自立した考えをもつ女性も多いようです。

そうは言っても、経済的な理由を除けば子供との時間を割いて働くことが単なる自分の「エゴ」なのではないかという迷いを常にもっています。
私たち母親が働くことに対してもっともな理由を掲げているのは、心のどこかで子供に対して抱いている罪悪感を少しでも払拭しようとしているからなのかもしれません。

それでも葛藤しながらも働くことを選択するのは、1人の社会人として自立して生きていきたいからではないでしょうか。

私は、経済的にも精神的にも誰かに依存することなく自分の足で立ち自信をもって仕事をしている背中を子供たちに見せたいと思い、今日も明日も働き続けます!


まとめ
・すべてが完璧なワーキングマザーなんていない
・ワーキングマザーの悩みは取捨選択によるもの
・ワーキングマザーが働く理由はお金だけが目的じゃない

“働くことは母子にとって幸せか”
この答えは、今の私にはまだ出すことができません。
いつか子供が自立したら、その時に尋ねてみたいです。
もし、子供が幸せだったと答えてくれたら、私も幸せだったと胸を張って言いたと思います。